木村豆腐店

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・・守がまだ高校生の頃・・ 「らっしゃい!!何にしましょう!!!へい!!木綿一丁に揚げが2枚ね。うちの木綿は肌が艶艶になるよ。奥さん美人だから揚げもう一枚おまけしちゃう。ありがとうね!まいど!!」 俺の家はボロくさい一軒家で一階が全部豆腐屋の嫌な家だった。風呂は一階の店から出て隣りにある古屋みたいな所に強引に作った狭いプレハブの中の風呂で、トイレはその隣りに洗濯機と一緒にあるような恥ずかしい家だった。  「守!?帰ったのか?お前ちゃんとただいまくらい言ったらどうなんだよ!!」 俺が帰る時には親父が店番で必ずいるのもウザかった。俺はいつからだろうか、中学までは親父とは普通に話してて仲は良かった、しかし、高校生になってからなぜか親父が鬱陶しく、また豆腐屋のせがれてのが恥ずかしく感じるようになってたんだ。
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