no.6

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no.6

不倫。。。それは、破滅への道。誰かを傷つけ、築いてきたもの全て失うかもしれない、渡り綱の恋。 そんな、分かりきったことなのに、後先考えず、本能のまま、禁断の果実に手を伸ばしてしまうのは、人間の性なのか。 裏切りの中で、育まれるものなんて、何もない。背徳の行為の中で、積まれゆく罪悪感にいつしか、二人は、身動きがとれなくなるだろう。。。 アパートの一室に、先輩が居る。初めの時は、まるで宙に浮くかのような、ふわふわとした気持ちで、一緒の時を過ごしていたが、今では、先輩との週何回かの蜜月の夜は、俺の欠かせない日常の一遍となっていた。 つまりそれは、先輩が、俺の人生になくてはならない、必要不可欠な存在になってしまったということ。 あの日、会議室で、先輩を押し返してたら。。。きっと、まだ、間に合った。 「ヒロ。」 下の名前で呼ばれ、俺は、再び、布団に潜りこむと、横たわる先輩に身体を絡める。 「もうすぐ、帰るから。」 佐久先輩の大きな手が俺の背中を優しく撫でる。 「先輩、ここんとこ、ずっと、遅く帰って、奥さんに気づかれてない?」 「うう~ん、大丈夫だとは、思うけどな。家帰っても、口紅とか香水とか、いわゆる、ありきたりの浮気の証拠みたいなのないし。」 「タバコ臭いだけか。」 「そうそう。」 事件の共謀犯よろしく、二人、視線を交わすと、そのまま、お互いを激しく求めあった。 何度も、何度も、感情の赴くまま先輩に抱かれ、漏れ出る喘ぎをかき消すため、枕で口を必死に塞ぐ。 「うっ、うっ、」 うつ伏せになり、俺は尻を高く上げると、先輩の反り勃った男根が、窪みの奥の奥まで、これでもかと突き上げてくる。激しく揺れる二人の影が、部屋の壁に映るのが卑猥だ。 「くそっ。」 優しいSEXなんて、似合わない、獣みたいな不倫の戯れ。 別に清廉潔白な恋人なんかじゃない、かりそめの罪深き愛人の俺には、刃物で切りつけられるくらい冷ややかな交わりが調度いい。
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