chapter7

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「でも、やっぱり俺は京香に杏を重ねて見てたんだよ!自分でも最低だと思う。好きになるように努力はした。でも好きになる事は出来なかった。だから京香にそれを伝えた」 「京香は何か言ってたの…?」 「わかってたって。俺が杏を忘れられない事も。京香は納得してくれた。だからすぐに俺と京香は別れたんだ」 彼の話を聞き、違和感を覚えたので思わず聞き返す。 「すぐに別れたって言ったけどいつの話?」 「五月になったぐらい」 私は彼の話が矛盾している事に、ますます頭がパニックになってしまう。 「で、でも京香は陽ちゃんの誕生日プレゼントを私と買いに行ったりしたし、それに京香から別れたなんて一言も聞いてない」 「落ち着けよ。その話しは俺も初耳だけど、京香は何か買ってたのかよ?」 言われてみるとたしかに京香は何も買ってはいなかった。今になって思えば真剣に選んでいる様子もなかったような気がする。 「たしかに何も買ってなかったけどさ。なんでわざわざそんな演技みたいな事する必要があるの?」
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