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京香と別れた後、部屋に戻り、先程の出来事を彩香に話す。
「杏姉にしては良くやったじゃん」
「まあね。でも問題はこれからなんだよね…」
そう。まだ正式に気持ちを伝えた訳ではないのだ。むしろ大変なのはこれからだと思う。
「たしかに。さっきも京香に杏姉の事聞かれたからね。なんか私達の事を勘ぐってるみたい」
何を聞かれたのかを訊ねたが、あくまで中立の立場だからと教えてはもらえなかった。
「やっぱり京香と一回ちゃんと話をしないとだよね…」
「まあそれが一番早いけど…ちゃんと話出来るの?」
陽ちゃんに想いを伝えると決めた時からこうなる事はわかっていたし、覚悟はしていた。
「ちゃんと話すよ。もう覚悟は出来ているから」
「そっか。じゃあもう大丈夫だよね。杏姉、どんな結末になっても絶対に逃げちゃダメだよ!」
彩香は立ち上がると部屋のドアの前で立ち止まる。
「もう帰るの?」
「うん。後は京香とじっくり話をして」
えっ?彩香が部屋のドアを開けると、そこには怒った表情をした京香が立っていた。
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