chapter5

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我慢しなきゃ、我慢しなきゃ。でもそんな想いは無情で、堪えきれず溢れ出す涙。 あぁ、何をやってるんだろう。本当に私って泣き虫なんだな。そんな私を見て悲しそうな顔をする陽ちゃん。彼のそんな顔は見たくないと数時間前にも思っていたのに。 「わかったよ陽ちゃん。二人に迷惑かけてごめんね。京香には、もう何も言わないよ」 「わ、わかった。じゃあ帰るよ」 うんと言った私に何かを言いたそうにしていたが、彼は何も言わずに部屋を出て行った。 これでいい…なんて思いたくはない。受け入れたくはないが、これが現実なんだよね。 忘れられるぐらいなら、こんなに好きになる事はなかった。ベットにうつ伏せになると、再び涙が溢れ出す。これからどうすればいいのだろう。 応援してくれている人達に申し訳ないと思い、自分が情けなくも思えてくる。 泣いても泣いても涙は枯れず、その日、眠りに付くまで、ひたすらに泣き続けた。
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