chapter6

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「杏ちゃんはこれからどうしたいの?諦める?それとも気持ちを伝える?自分が全部悪いって言ったけど、本当にそう?だって杏ちゃん自身だって傷ついているんだよ」 その言葉を聞いて、私は再び涙が溢れ出す。このままではまずいと裕太くんは思ったらしく、学校の近くの公園に立ち寄り、しばらく泣いた私は落ち着きを取り戻した。 「ごめん。もう大丈夫。さっきの話だけど私はこのままじゃ嫌だって思ってる」 「そっか。じゃあ、あいつに気持ちを伝えた方がいいよ」 私はそれが簡単ではない事を裕太くんに説明した。 「うわ、めちゃめちゃ複雑だね。でも話の感じから、まずは京香ちゃんと話をする方が先だね。陽介の方は俺と優希でなんとかする。だから杏ちゃんは、どうにかして京香ちゃんと話し合いをしてみて」 裕太くんは優しく微笑みながら言った。あの日から京香とはまともに話をしていなかった。 難しい事だが、やるしかない。それにはやはり私一人では無理だ。ここは朝美と彩香に相談するしかない。
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