chapter6

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「結果によってはそうなるかも知れない。でも無理やり引き離したい訳じゃないの。私の気持ちを陽ちゃんに伝えて、陽ちゃん自身に答えを出してもらいたい」 「何を今更そんな事を言ってるの。私と陽ちゃんは付き合ってるんだから無理に決まってるでしょ!」 京香が怒っているので、逆に私は冷静でいられた。本当に私はひどい事をしている。でも… 「もう後悔はしたくないんだ。最初は京香の為だからって本気で諦めようとしたの。でもね。やっぱり無理だった。だから凄く後悔した。結果的にそのせいで、京香も陽ちゃんも傷つける事になった」 京香は先程までとは違い、無表情で今は何を考えているかわからない。 「知ってたよ…お姉ちゃんがずっと陽ちゃんを好きだったって事。知ってて私は陽ちゃんと上手く行くように応援してほしいって言った。お姉ちゃんなら絶対に自分の気持ちよりも私の気持ちを優先してくれると思ったから」 京香は下を向き、自嘲気味に言った。私はどうしたら良いのか分からずに何も答える事が出来ない。
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