chapter6

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「よ、よう。言い訳してもいいか?」 「いや、ダメでしょ」 ダメと言ったにも関わらず彼はここまでの経緯を説明し始めた。 「なるほど。朝美の誕生日をサプライズで祝いたいって言われたんだ」 「そうだよ。彩香がしつけーから断われなくて。朝美が部屋に入ってきたら出て来てクラッカーを鳴らせばいいからって言われた」 「そしたら朝美ではなく、私が入ってきて、話を全部聞いてしまったと?」 彼は気まずそうに頷いた。まあこればかりは私にも責任があるので彼を責める事は出来ない 「わりーとは思ってる。でもあの状況じゃ、さすがに外に出れねーよ」 「わかってる。別に怒ってないよ。それより私達の話を聞いてどうに思った?」 陽ちゃんは少し考えた後で、わからないと答えた。たしかに急な事だったので頭が回らないとは思う。 「そうだよね。正直私もよくわからなくなった。京香の悲しそうな顔を見ていたら、やっぱり私が間違っていたのかなって…」
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