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もう後悔はしたくないと思っての行動だったのだが、今はその行為が正しかったのか、わからなくなっていた。
やはり京香は私の妹で、彼女の悲しむ気持ちがわかるからこそ、自分の行いは間違っていたのではないかと思ってしまう。
陽ちゃんの複雑そうな顔を見ていると、自分の行いのせいで色々な人を巻き込んでしまった事を嫌でも実感してしまう。
「杏、大丈夫か…?」
私は頷いた。誰かに決められた訳ではなく、自分で決めた事だ。後悔しないと決めたからには落ち込んではダメだ。
「陽ちゃんごめんね。私って自分でも信じられないぐらいに自分勝手だった。京香の事を傷つけて、陽ちゃんの事も傷つけた」
「よくわかんねーけど、杏は前からそうだし、何も変わらねーよ」
「それってちょっと酷くない?でもたしかにそう。そんな私の傍に陽ちゃんはいつも居てくれたんだね。ありがとう。好きじゃないって気持ちをごまかそうとしたけでダメだった。陽ちゃん…好きだよ。ずっとずっと好きだった」
やっと言えた。私は安堵からなのか、気がつけば涙を流していた。
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