10人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
幽閉された吸血鬼と奇妙な青年
「化け物!死ね!」
「まだ死んでないのか?」
「おぞましい…なぜ生まれてきた?」
俺は吸血鬼だ。
1000年前に天使達が起こした"一掃作業"により、一族の吸血鬼達は惨殺された。
[人々はお前達を恐れている。不安分子は消さないと。]
そう笑顔で言いながら俺の家族を全員一掃した。
俺は殺されなかったが、見せしめとして手足を釘で打ち付けられ磔られた。
吹雪く雪山の洞窟に幽閉され、偶に来る天使達に殴られ切り刻まれる日々が続いた。
『わぁ〜綺麗な瞳だ。ねぇ君付き合ってる人いる?』
しばらく罵詈雑言しか入ってこなかった耳に、ナンパが聞こえてきた。
目の前には、長い髪を後ろに一つ結びした青年が立っていた。
まるで、海から生まれてきたかのように髪も瞳も全ての色が鮮やかな碧色だった。
最初のコメントを投稿しよう!