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センス
以前の仕事上、沢山の人と接して来た。
そんなある日、とあるベトナム人から「女性の日」だからとプレゼントを貰ったことがある。
女性に花を贈ろうと考えた彼は、なかなか会えないからと生花ではなく、花をあしらった食べ物を用意しておいたらしい。
弾む笑顔で、わたしを見つけると駆け寄ってきて、
「はい!これ、どうぞ。」
と、くれた。
「どうも、開けていい?」
と、嬉しかったのでその場で開けた。
カルチャーショックがおそった。
なんと!包装を開けたら、お彼岸で仏壇とかに置いておくカラフルな落雁(らくがん)だった。
その場で、一応うれしいということは伝えつつも、これは他の日本人にあげると、ちょっと一部の人には誤解される旨を伝えたことは言うまでもない。
ただ、そういう気遣いとセンスはなかなか良いと思った。
もう少し、日本の男性諸君に見習って欲しいと思う。
ちょっとした気遣い。
これ、大切。
普段、言葉で言えないなら、そういうのも大切。
しかし、物を選ぶ際に気を付けなければならない場合もある。
ここからは又聞きで、自分の例じゃなのではあるが・・・。
もうすぐ、バレンタインなので思い出したついでにその話を。
義理チョコが流行りだした頃の話。
職場で、お金をまとめて、みんなで買って、それを渡して、それなりのお返しを期待するというもの。
当時は、男女間に残念ながら給与格差もあり(22時以降働けなかったり、勤務に制限があったから、手当の関係上)、その人が働いていた会社も例外じゃなく、男性のほうが高い給料をもらっていたらしい。
なので、お返しも当然、女性の買ったものに対して倍~3倍とかで返すのが当たり前というのが、風潮として根付き出した頃だったらしい。
らしいばっかり・・・。
あまり、モテない感じの先輩同僚に3人で1つのチョコを上げたそう。
3人で500円くらいだったと、本人談。
通常、こういうときは、1000円くらいの何か分けられるものを返してくれるのだそうで、そういうのを期待していたらしい。
ところがである。
ホワイトデーに、その人からそれぞれ3人に個別に、小さな小箱を返してくれたそう。
思わぬ、お返しにちょっとびっくりの反面、期待して3人で開けたら・・・
なんと、それが化粧箱に入った
『金の楊枝(ようじ)』1本ずつ。
金額的には当時、レートで2千円台だったと言っていたので、一人あたり10倍返し。
でも、個人的にLikeでもLoveでもない相手から、口の中に入れるものをもらっても・・・でも、金だし・・・と、かなり悩まれたそう。
かと言って、厚意のお返しなので・・・と、一応は貰い受けて、家族にあげたと言ってた。
高いだけがいい、というわけでもないという話。
やはり、センスも大事な要素かと思う。
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