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「お疲れ様です!ゆいなさん!」
JR平塚駅で合流したゆいなとまきはバス停に向かって歩き出した。
「平塚球場はゆいなさんも初めてなんですよね。私、方向音痴なのでちゃんと行けるか不安です」
「初めての球場に行く時はファンを見つけるのが一番良いわよ」
「それはどういう…?」
「行ったことのありそうな人の後ろを付いていくのよ。そうすれば迷わずに済むでしょ。それに野球場に行くファンはユニフォーム来てたり、グッズを身に着けてたりするし見つけやすい」
「なるほど。天才ですね…。郷に従え理論」
「初めて札幌ドームに行った時は助かったわ。駅から結構歩くし、出口も迷いそうになって」
「札幌ドームですか!?ゆいなさんって意外とアクティブですよね。仕事してる姿見るとインドアに感じるのに」
「野球のことだけはアクティブかもね……」
「さすがプロですね」
「だからプロではありません」
「もう、謙虚なんですからっ!まずはバス停ですよね。えっと、四番乗り場っと……」
今日は日差しが強い。ニュースではこの夏一番の暑さになるかもしれないと言っていた。まきちゃんは日焼け対策とか大丈夫かな。
「四番乗り場めっちゃ遠いですね。バスロータリーの一番端ですよ」
「そうね、でも乗り場は間違ってなさそう」
そう言いながら前方を指差す。
「あ、ベイスターズユニフォームの人発見!しかも三人いるので間違いないですね」
そのままベイスターズファンに従い、平塚駅から出ている神奈川中央交通バスに乗り込む。ゆいなとまきは後方の席に座り、他の乗客を横目で見ながら発車を待つ。
ここから約7分バスに揺られて平塚球場駅で降りる。……とネットに書いてあった。
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