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交流
ショッピングモールへ到着し、何故かそこに高校の友人Sとその彼女のS(偶然にもイニシャルが同じ)も合流した。計5人の謎メンツでショッピングと言う名の"交流"が始まったのだ。私とS男とS女はKとFに距離を置いて歩く。邪魔しては悪いと思っての事だ。私自身もまだ、そこまでFに惹かれてはいなかった。夕食をまだ皆食べていなかった事から、まずはフードコートへ行った。皆バラバラに食べたいものを買って食べた。会話しながら食べ終え、Kは「そこの駄菓子屋を見てくる!」と言い、Fは「ちょっとトイレ行ってきますね!」とS女も「私もー」とついていった。私とS男だけがフードコートに残され駄弁っていた。
「俺思ったんだけどさ、え、KにFちゃん勿体無くね?」
「あーやっぱS男も思う?(笑)実は俺も思った(笑)」
「だよなー!?アイツちっと絞めるか(笑)」
「肩パン(上腕二頭筋にパンチを入れる事)くらいにしとけよ(笑)」
「おう!20発くらいやっとくか(笑)」
高校の時に戻った様で楽しい時間だったのを覚えている。"ずっとこんな楽しい時間を過ごせれば良いのにな。"なんて思っているとFとS女が戻ってきた。
F「あれ、Kさんは?」
私「あぁ、アイツならそこの駄菓子屋見てる よ。」
F「あー!私も駄菓子屋見たいな♪ちょっと行ってきますね!」
私「はいよ、行っておいで。」
そう言うとFは無邪気な子供のように小走りで駄菓子屋へ入っていった。Fが去った後にS女が口を開いた。
「さっきさ、トイレで"あの3人の男の中で誰か気になる人いる?"って聞いてみたんだけどさ…Fちゃんの気になってる人、えいちゃんだってよ!」
S男「おおぉぉ!?マジかよ!良かったなえいちゃん(笑)あの馬面よりお前の方がカッコいいって証明されたぞ!」
俺はまさかそんな事はないだろうと思っていた。S男には彼女がいるのを解っているし、Kの顔がタイプじゃないから、仕方なく私の名を挙げたのだろうと思っていた。
「いやいや(笑)何かの間違いだろ(笑)そんなはずないやん(笑)」
S女「いや、それが本当なの。Fちゃんが、えいちゃんカッコいいって言ってたし、タイプみたいよ!」
「マジ?俺は喜ぶべき?(笑)」
S男「いや喜べよ!彼女にできるかもしんねーぞ!」
S女「まぁKくんには悪いけど、Fちゃんがそう言うんだもん。あ!でもこの事は内緒ね!?えいちゃんも、Fちゃんからアプローチが無い限り手を出しちゃダメだからね!?(笑)」
「言われなくても解ってるよ(笑)」
これが運命の出会いってやつなのか?
俺はちょっと浮かれていた。するとKとFが戻ってきた。
「よし!どっか他の店でも見て回るべ!」
と言うKの手には駄菓子がごっそり入った袋が握られていた。一方でFは「妹と弟へのお土産♪」と少量だった。"あぁ、ここでも性格が出てるなぁ~"と私は感じた。先程の話もあり、想いやりのあるFに感心した。
色々店を回りながら最後に皆で記念にプリクラを撮り、ショッピングモールを出た。
P.S その当時のプリクラは今現在(2020年12月20日)も残っている。今となっては私の手元に残っている唯一のFとの思い出だ…。
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