2021.7.30

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2021.7.30

 前ページでは、7月27日の話をしたが、大事な話を忘れていた。 それは2021.7.21の出来事の話だ。  その日はバイトで朝9:30のオープンから出勤していた。なのに、7時頃母親から電話で叩き起こされていた。 母「今日何してるの」 私「これからバイトだよ。何?」 母「なんだ、じゃあいいや。」 それで電話は切れた。おおよその検討はついていた。母親は最近、義父の浮気が原因で離婚を突き付けられていた。その結果、鬱が再発し荒れ狂う日々を送っている。だから暇なら家に来てほしい、と言った所だろう。気にせずバイトに向かった。  そして昼休憩。スマホを見ると母親からラインが入っていた。 母「これから、Fが来るよ。」 は?何でF?戸惑いを隠せなかった。2年前に別れたあのFが?俺は母親に電話した。 母「もしもし?」 私「いや、もしもし?じゃないよ。Fが来るってどーゆーこと?」 母「お母さんが呼んだの。」 私「は?なんで?」 母「一人じゃ何するかわからないから」 私「いやだからってFを呼ぶのはおかしいだろ。俺の元カノだぞ?」 母「だってうちら仲良しだもん。ねー?F」 F「え?あぁうん!」 奥で聞き覚えのある声が聞こえた。一気に付き合ってた頃の記憶が蘇ってきたような感覚だった。懐かしい声。そしてまた顔が見たいと思ってしまった。 私「今どこにいんの?」 母「シティーマーケットで昼ごはん」 私「だったらウチのカラオケ来れば良いのに。」 母「時間があったら行くよー」 そして休憩も終わり、電話も切った。バイト中なのに、一気に虚しさと寂しさに襲われた。  何とかバイトをこなし、夕方16時頃。 母親と俺の弟妹とFの4人で来店した。2年ぶりのFとの再会だった。色々話したい事はあったが、仕事をした。受け付けをし、部屋へ案内した。フロントで業務をしていると、ちらちら母親やFが話しかけてくる事はあった。が、Fと話すと切なさと申し訳無さが込み上げてくる。 母親がビールを注文したりフードを注文し、提供に行くとFがドライフラワーやツキミソウを歌っていた。 どうしてお前がそれを歌うのや、お前は今も彼氏いるだろ…。変に期待させないでくれと心の中で思った。  バイトが終わり部屋に合流する。Fと話す機会があったが、それ以上に壊れた母親のお目付け役に徹した。運転はFが自分の車で乗せて来たらしい。退出時間になり、母親を担ぎ会計を済ませ車に乗せた。 Fも1度俺の母親宅に荷物があるから寄ると言っていた。母親宅で再び合流し、そこでも母親のワガママは始まった。 母「えいちゃん!(えいちゃんとは呼ばれていないが比喩表現)F!恋(俺が1月3日に連れてって貰ったスナック)に行くべ!」 私「今から?もう酔っ払ってるし、色んな意味で壊れてんじゃん。Fだって帰らなきゃだろ?」 F「あー、ウチは行ってもいいけど…酒は飲みたくないかなぁー。」 私「なら自分で運転していけば好きな時間に帰れるよ。行ったら閉店まで居ることになるかもしれないぞ?」 F「まじかー。でも運転も苦手なんだよね…(笑)」 私「なら乗っかってくか?帰りの時間は俺らと同じになるけど。どーせ乗っかってくなら酒飲んでも良いしな。」 F「んー、じゃあ乗っかってこうかな」 私「でも酒飲んだら泊まってけよ?ただでさえ運転上手くないんだから、飲酒何かで運転して帰るなよ?」 F「わかったー」 私「ほら母さん行くならさっさと行くぞ?」 母「わかったわかった」  そして俺はFと母親を乗せてスナックにいった。 俺はバイト直後と言うこともあり、二人をスナックに降ろし、俺は1度自宅に帰りシャワーを浴びて戻ってきた。 母親は泣きながら酒を飲んで、Fは無言でサワーを飲んでいた。"あ、結局飲むのね、酒"と思いつつ席に着いた。 オカマF「あら〜えいちゃん久しぶりじゃな〜い?元気〜?」 私「あ、Fさんおひさっす!まぁまぁ元気よ(笑)」 オカマF「あら〜良かったわぁ〜!なーに、アタシが恋しくなっちゃったのかしらぁ〜?あは〜ん(笑)」 私「かもね〜(笑)後で話そーね!」 オカマF「いいわよーん!」 そう言うと先に着いてた客の席に戻って行った。 俺ら3人にはオカマのTさんが相手をしてくれた。俺はTさんとも仲は良いが、母親は面識が無いらしい。恐らく忘れてるだけだろうが…。Fとも少し話しをする事ができた。  Fは俺と別れた後、新しい彼氏と付き合い、同居。そこまでは知っていたが、好きだと言っていた珈琲屋の仕事を辞めたらしい。何でもパワハラやカゲグチが多かったとか。それで鬱になりアパシー状態になったと聞かされ、今はニートで仕事をせず人生の休憩中だと笑っていた。俺もお前と別れた後はそーだったよ、とは言わなかったが母親から聞かされてある程度、今の俺の状況も知っているらしい。心配してくれたが、あの頃の様には戻れないと俺はわかってる。だからこそ、凄くもどかしかった。女って生き物は強がっている奴ほど、心は弱い。それはウチの母親もそうだ。付き合っている時からFは内面弱い事はわかっていた。俺が浮気なんてしないでずっと一緒に付き合っていたら、コイツの人生は違う方向に行ってたのだろうか…。 そんなFに俺は"人生の休憩中なら、今日は気が済むまで飲め。ここは休憩の為の場所だ"と言った。 母親が完全に潰れて閉店前に寝に入った為、義父に電話をし迎えに来てもらって母親宅に3人で帰った。  俺は2階にFの為の布団を敷き、そこで寝ろと伝えた。俺はリビングで雑魚寝をかました。  翌朝、リビングが騒がしく目を覚ますと母親やFが起きていた。"なんか、懐かしい光景だ。あの頃もこんなんだったな"と思いつつ意識が無くなった。次に目を覚ますと弟も妹も起きていた。俺も起きて帰る支度をした。Fも自分の実家に寄って帰るといい先に帰ったのだった。  俺は母親に送られて自宅に帰った。 もう少しFと話したかった。もう少しFと居たかった。なんて独りになってから考えた俺は、Aに裏切られた時ではなく、Fと別れた頃から時間が止まっていたのかも知れない。 最近はよくFと付き合っていた頃の夢を見るようになった。親友のHによると「誰かが出てくる夢を見るときは、その相手も自分が出てくる夢を見る事があるらしいよ!お互い、思う所があるのかもね」と言っていた。Fも俺の夢を見ているのかな…?でも何とも思ってないんだろうな。なんて考えながら独り寂しく日々を生きているえいちゃんでした。
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