修業2

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「いいえ。何かお役に立ちましたなら幸いにございます。それより、お食事がすっかり冷めてしまいましたよ。」 「うん、すっごく!食べちゃうね。」 食べながら話していたため、止まってしまっていた端を動かす。 黙々と食べ進める横で詠龍彦さんがお茶を入れてくれた。 「しっかしさぁ〜。」 食べ終わってお茶を頂きながら口を開く。 「前も思ったんだけど、ここに来てから本当に日々、目まぐるしく色々あるな〜って。」 そう言えば詠龍彦さんの顔が曇り、口を開きかけたのを見て慌てた。 「あっ、違うからね?責めてるわけじゃないから!詠龍彦さんが責任感じる必要なんかないんだか………ら………。」 言ってて理解した。 今日の親友の気持ちを……。 「奥方樣?」 言いながら勢いが消えていった私の顔を覗き込み呼びかけられた。 「え、あぁ、うん。何でもない。そっかぁ。」 何でもない、と笑顔で答え視線をお茶に落とす。 「ふふふ。今日の奥方樣は秘密主義にございますね。」 詠龍彦さんの孫を見守るような優しい声色に視線を戻した。 「うん、まだ自分でもまとまってないっていうか、何て言うか……。まとまったらその時は聞いてくれる?」 「もちろんですとも。ぜひお聞かせ下さいませ。」 「うん、ありがとう。」 それからお風呂の支度をして貰い、露天風呂を堪能すべく大浴場へと向かった。
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