運命とはいかに。

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「...ハァ...ハァ...ッハァ...ハァ......」 『アイツ、マジでウザい』 『なんで辞めないんだろねー』 『ヘラヘラ笑いながら毎日来るし』 『バッカじゃない?』 『キャハハハ』 陰口なんてかわいいもんだ。 面と向かって罵声を浴びせられるのもまだかわいいもの。 物を隠されるのも服を掴まれるくらいも何て事はない。 目に見える悪意なんて取るに足らない。 そう自分に言い聞かせてどんな事されても私は耐えていた。 だけどそれで終わらないのが、人の性。 エスカレートしていくのが当たり前のようだった。 人って本来は悪意に染まりやすい劣等感の塊だから。 そうしなければ生きていられない弱い生き物だから。 だから、アイツらも標的が必要だった。 そして私はアイツらからその標的を奪ってやると思った。 私という標的を。
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