5人が本棚に入れています
本棚に追加
「...ハァ...ハァ...ッハァ...ハァ......」
『アイツ、マジでウザい』
『なんで辞めないんだろねー』
『ヘラヘラ笑いながら毎日来るし』
『バッカじゃない?』
『キャハハハ』
陰口なんてかわいいもんだ。
面と向かって罵声を浴びせられるのもまだかわいいもの。
物を隠されるのも服を掴まれるくらいも何て事はない。
目に見える悪意なんて取るに足らない。
そう自分に言い聞かせてどんな事されても私は耐えていた。
だけどそれで終わらないのが、人の性。
エスカレートしていくのが当たり前のようだった。
人って本来は悪意に染まりやすい劣等感の塊だから。
そうしなければ生きていられない弱い生き物だから。
だから、アイツらも標的が必要だった。
そして私はアイツらからその標的を奪ってやると思った。
私という標的を。
最初のコメントを投稿しよう!