5人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、気持ちいいわねー!それにいい香りっ!」
遅れて智慧さんが水美さんの向こう側で足をつけ、四人並んで足湯を堪能した。
「はぁ。ぽっかぽか!私、先に上がるわね。」
水美さんがお湯から足を上げるとすかさず智慧さんが水美さんの足をタオルで包む。
その光景に水美さん溺愛されてんだなーっと、微笑ましく眺めた。
「…羨ましそうだな。夕凪も拭いてやろうか?」
勘違いした朝輝がそんなことを言い出した。
「えっ!違うからっ!足くらい自分で拭くよ!」
何言ってんのと否定する。
「朝輝様、こちらを。」
そこに長絶対!の智慧さんが朝輝にタオルを渡すという余計なことをしてくれる。
「…ほら、足出せ。」
膝の裏に腕を差し込まれ、朝輝の膝に乗せられタオルをかけられる。
「ちょっと、ホント大丈夫だから!」
ほとんど人がいないとはいえ、カフェにいる人たちに見られると思うと恥ずかしくて足を降ろそうと暴れる。
「…暴れるな。いいから大人しくしろ。」
片腕で足をホールドされて拭かれる。
この光景の方が暴れる動物を押さえ付けてるように見えて恥ずかしくなり、暴れるのをやめれば、体勢を戻した朝輝は丁寧に指の間まで拭いてくれた。
「…ありがとう。」
「どういたしまして。ジャジャ馬お姫様。」
靴の上に足を降ろしながらお礼を言うと、朝輝も足を拭きながら揶揄われた。
最初のコメントを投稿しよう!