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「うーん、大己貴命が御祭神で、それは大国主命のことで、大国主命は出雲大社で国造りで…。えっと、蛇とか龍で…日本は龍で…。
え?だから何?どこに繋がってるの?」
メモした内容を斜め読みしても有馬とどこが繋がってるのかわからなかった。
「…夕凪、もっと前だ。ココ。御祭神のくだりの水天宮。」
存在を忘れそうになるほど黙っていた朝輝が見兼ねて助け舟を出してくれた。
「清水、龍の気?どーゆーこと?」
それでもわからない私に二人は残念そうな顔を向けた。
「奥方様、水天宮の説明で不思議に思われませんでしたか?
大己貴命と少彦名命が降臨し、なぜ龍の気が満ちるのか、と。」
これまた存在を忘れていた智慧さんが私を憐れみため息をつく二人の代わりに話を噛み砕いてくれる。
「あ、確かに。でもそれって大国主命は蛇とか龍で………龍っ!!
そっか、ここに繋がるんだ!
龍なんか出てきてないのに大国主命は龍だから、水天宮は龍の気が満ちてるってことね!?」
「正解です、奥方様。」
「ははぁ〜〜〜。」
私はようやく繋がった話に唸りながら、ノートに矢印を書き込んだ。
「じゃあ、次いくわよ?しっかりついてきてね?
あ、因みに少彦名命も大国主命と一緒に国造りした神様で、一寸法師のモデルと言われてるわ。
酒、薬、温泉の守護神。裏の意味は形代ね。
私たち一族も形代を使うから、ここも繋がる。
そして、熊野久須美命は熊野信仰で後から御祭神に付け足された神様だけど、熊野久須美命は五男三女神の五柱の男神の最後に生まれた神様よ。
この五男三女神は天照大御神と素戔嗚命の宇気比、誓約で生まれた神様たちなの。
素戔嗚命の十握剣を噛み砕いて生まれたのが三女神。
天照大御神の八尺勾璁の五百津のみすまるの珠を噛み砕いて生まれたのが五柱の男神。」
「やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま?
え?八尺瓊勾玉って三種の神器じゃ?」
「そうね、でも三種の神器として天照大御神が天孫・瓊瓊杵命に持たせたのは、天岩戸のときに玉祖命が新たに作ったものなのよ。
最初の八尺勾璁は宇気比で神になったの。」
「…八尺勾璁の五百津のみすまるの珠とは、八尺勾璁は大きな勾玉のことだ。
五百津はたくさんの、
すまるは統まると書き、集めるという意味だ。因みにここから昴という言葉が生まれた。プレアデス星団のことだな。
で、珠とは、魂、霊、そのまま珠のことを指す。
つまり、八尺勾璁=大きな勾玉
五百津=たくさんの
みすまるの珠=集まったとても尊いたま、ってことだな。」
水美さんがスルーしたことを朝日が説明してくれた。
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