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「へぇ………。」
そろそろ脳みその容量が足りなくなってきていた。
「八尺勾璁の五百津のみすまるの珠は、ただの装飾品ではありません。
天照大御神は光や生命力などエネルギーを司る神です。
その神の装飾品と考えると、みすまるのたまは神の素になるような超自然的な力が込められたものとも言えます。
天照大御神は長がその加護を受けていますね。」
更に、智慧さんの補足が入る。
「話が膨らみ過ぎちゃったけど、まだあるわよー?
なんと!湯泉神社の神紋は三つ巴なのよ!
そしてこの旅館の名前は “ せおり ” 、瀬織津姫命のことで、六甲山との縁が深い神様なの。
大祓詞にも登場する神様で、川に坐す水の神で、すべての罪を海にながしてくれると書かれているけど、龍神とも、天照大御神の荒御魂とも言われてて、封印されている謎が多い神様なのよ。
そして夕凪ちゃん、私はあなたに縁がある神様じゃないかと思ってるわ。
旧姓は清瀬。清瀬夕凪。
清らかな川の瀬、海岸地方で海風と陸風と交替するとき。
そしてここに来てから夕凪ちゃんから感じる気………。
まぁとにかく!六芒星、形代、勾玉、龍、三つ巴、天照大御神、瀬織津姫命、私たちに繋がるものが多いと思わない?」
長い長い講義はどうやら共通点のまとめで終わりそうだった。
「確かに。こんなにも繋がるとは思わなかった。なんか不思議ね。」
私はノートをペラペラと捲りながら、その共通点の多さに何かに導かれているような気がした。
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