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「それは失楽園、アダムとイブにあります。
アダムはヘブライ語で土や人間、イヴは生命を意味します。
食べれば死ぬとサタンの化身の蛇に唆され禁断の知恵の木の実を食べてしまいますね?
食べれば死ぬと言われましたが、実際には肉体的に死んだのではなく霊的に死んで地上に落とされました。
アダムは土や人間、イブは生命ですので、生命を忘れてしまった=霊的な死です。
そしてこの禁断の知恵の木の実を食べたことが原罪なのですが、なぜそれが原罪なのか。
それは知恵の木の実は英語で、tree of knowledge.
knowledgeのknはknifeのknと同じで " 区分けすること " であり “ 分析すること ” です。
区分け、即ち分別知が付いた、ということです。
こちらとあちら、貴方と私、善と悪…。
捉え方だとは思いますが、分別知が付いたことが権力者にとって都合が悪いことだったのでしょう。
それは今も同じですね。政府は国民が知恵を付けるのを嫌がり、わざと難しい言葉を使い関心を削ぐ、必要以上に興味を持たせないようにしています。
なので、見方によっては知恵を授けたサタンは悪魔の位置づけなのです。
余談ですが、区分けといっても、宇宙空間から地球を見ると皆一つ、 “ Oneness ” なのです。
地球という一つの細胞の中での、こちらとあちらであり貴方と私であって、その根源は皆一つなのです。
生命というのはOnenessのことで、知恵というのは区分け・分別のことです。
この区分け・分別は科学を生み出しました。科学の科は分別のことです。
しかし、科学だけでは健全な世の中にはならないのです。
忘れてしまった “ Oneness 皆一つ” の生命と、区分け・分別の知恵を、“ re 再び ” 、 “ ligion 結び付ける ” のに必要なのが “ religion 宗教 ”なのでしょう。」
智慧さんは湯呑を口に持っていき、口を閉じた。
話し終えたということだろう。
もう壮大な話になりすぎて頭がパンクしそうだった。
「……なんか壮大すぎてそもそも何の話だったかわかんなくなっちゃったけど、智慧さんの名前の由来はわかった気がする。」
私はすっかり冷えたお茶を流し込んだ。
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