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「うん。これがミカに一番似合う」 「ふぅん。どれどれ――恋愛運アップだって。ホントかな」 「気休めでしょ。でも、こういうのってそんなもんじゃない?」  ドレッドヘアの店員がちらりと二人を見た。店中の商品にケチをつけているようなものだから当然ではあるが、きっとあの店員も気付いているはずだ。  もし、この全部の石たちに本当にパワーがあるとしたら、この店はもっと繁盛してるだろうし、がちゃがちゃ音がするほど石を身にまとったあの人はもっと幸せそうな顔をしてるはずだから。 「じゃあ、これにしようかな。ねえ、ナオも一緒に買わない?」 「あたしも?」 「そう。これが、あたしたち「ことり同盟」の証」  ナオは背筋がぞくぞくした。「ことり同盟」。二人だけの特別な絆。その証が、ミカの言葉をかたちにしたような、このブレスレットを身に着けることだなんて。 「うん。いいかもね」  興奮を押し隠して、何でもないような顔でレジに向かう。ドレッドヘアの店員は、相変わらずベタつくような声で「浄化用の水晶も一緒にどうですかぁ?」なんて言いながら、ナオたちのほうなど見ようともしない。  浄化しなくちゃって言うなら、私たちの大切な証に気安く触らないでよね。  ナオはよっぽどそう言ってやろうかと思った。
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