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それは、前任者の子に投げかけた一つの疑問でした。あの子は私に対して最初こそ、迷いがあってどうすればいいかわからないといった感じでしたが、次第に何かを感じたのか。堂々と私の身の回りの世話をして、話しかけてくれたのです。
私は、もはやこの世に絶望しかありませんでした。そうして、彼の親身な対応がどうも、『生かされている』様に感じたのです、世界に一人の『愛』を持った人間とは言われますが、もはや人間ではないような気がしていたのです。
それをその子に打ち上げました。
「愛なんて必要ないのではないでしょうか? 人類最後に意味なんてあるのでしょうか? 切り捨てるべきなのです。一つしかないなら、答え合わせもできないのです。もはや、貴方達は既に無くしているのです。私は、ここにいるのに。居ない。そんな状態で生かされいるだけなのです。もう、やめてください」
そうして、私はその子の前で初めて涙を流し表情を見せてしまったのです。その日から、その子はだんだんと元気がなくなっていった気がします。私に話しかけることに、ためらいが生まれ、行動一つ一つに細心の注意を払っているように見えました。そして、しばらくしてその子はこの部屋に来なくなりました。
今私はその思いは薄らいでいます。愛を持つものがいなくても愛する者がいた。それだけで、愛を持て余していた自分じゃなくなった。恋鐘と一種にいることが私の生きる意味になり、彼女がと触れ合えるこの場所こそ、私の居場所になった。
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