僕の右手の神Seven２ 結婚式とおっぱい

② 結婚式とおっばい

人口10万人ほどのY市。駅前から少し離れた幹線道路沿いに地域医療の基幹としてY記念総合病院がある。二次救急の指定を受けている、いつも患者さんでいっぱいの病院だ。

ここが僕の職場
僕はこの病院で外科医として勤めている、清水和平(しみずわへい)、35歳。教授とか権威とか、そういうものに興味が無かったこともあり、今は医局も辞めてこの病院に就職している。

イケメンでもなく、彼女もいなく、特筆すべき事のない僕だけれど、意外と評判がいいらしい。

それは、

僕たちは絶対に手術を失敗しないからだろう。

どこかのTVドラマの女医さんとは違って、僕には秘密があるんだけれどね。

右手に持たれたメスは正確無比で、的確に変性組織を切離していき、出血も最小限に抑えられている。

このハイレベルな手術を行なっているチームのメンバーは、執刀医、麻酔科医、前立ちの看護師に加えてスペシャリストの5人だ。助手の医師が固定されると助かるんだけどね。

そして、今は手術の真っ最中。集中しないと。