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河野ちゃんの分の飲み物も届いたところで、改めて乾杯した後、僕は中村さんに確認をした。
「あ、あのね、そのね」
普段のハキハキした感じとは違い、しどろもどろな中村さんはかなりレアだ。
「なによ。勿体つけないで言っちゃいなさいよ〜」
小林先生は何かを察知したようだけれど、僕にはさっぱりわからない。
「実は、婚約しました」
頬を赤らめながら、中村さんが笑顔で僕たちにそう告げた。
「キャー、中村さん、おめでとうございます〜」
「おめでとう。うらやましいな」
「本当におめでとう。で、お相手は」
「リハビリの小早川君」
小早川君、あー、あの体の大きなPT(理学療法士)さんか。
「あ、あのプロレスラーみたいな人?」
「そうです。わたしより5つも年下なんですけど……」
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