彼らとの出会い

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「起きてすぐで申し訳ないのだけれど、お名前とか確認させてもらえますか?」 「清水和平です。T大の医学部生です。僕の手はどんな感じですか?」 「後で身分証明書を拝見させてくださいね。右手の状態については、もうしばらくしたら、先生からご説明しますね」 医師からの説明は右手にⅢ度の熱傷、筋組織まで損傷して、植皮術が必要、という事だった。 数日後、植皮術が行われ、僕は抗生物質の点滴を受けながらベッドに寝かされていた。 なかなか寝付けない深夜、病室の少しシミのある天井を見ながら、この手じゃもう外科医を目指すのは無理だろうな、という思いが頭の中から離れない。 小さな頃、離島で活躍する医師のドラマを見て医師を目指して、学生時代、絶対失敗しない外科医のドラマを見て外科医を目指した。そして、医師としてたくさんの命を救いたいと頑張って勉強してきた。 包帯を巻かれて、まだ動かせない右手を見ていると、外科医‥‥諦めないといけないかな。 今夜は珍しく病棟自体が静かだ。普段なら響き渡るナースコールも、今夜はほとんど聞こえなかった。やっと眠気がやってきて、ウトウトし始めた頃、小さな話し声が聞こえてきた。 "そこに細胞集めた方が良くないか"
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