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えっ?
なに?
半分寝ていた頭の中に響いてきた話し声。
何となく目線を右手の方に向けてみると、包帯の下で何かがモゾモゾ動いているのが確認できた。
「うわっ、何、何」
ビックリしたったらないよ。知らないうちに、マゴットセラピーでもされたのかと思ったよ。
"あっ、見つかっちゃった"
再び頭の中に響いてくる声。
"安心しろ、清水和平。僕たちはお前の敵ではない"
敵じゃない?
僕たち?
"あー、やっぱり少し感染しかかっているよ"
えっ、感染
それヤバイんじゃないか
"残念だけれど、死んでしまった細胞は治らない。それでも、その子たちが必死で菌の増殖を抑えてくれたみたいだよ"
どういうこと?
"俺がやっつけておく"
やっつけるって何を?
"そっちに新鮮な血液たくさんまわしておくね〜"
えっえっえっ
いっぱいいる。
何かが、僕の右手にいっぱいいる。
"何かじゃない。俺たちは、俺たちは……なんて言えばいいんだ"
"はあ?あんたバカじゃないの。わたし達は……あれ、なんて言えばいいの"
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