彼らとの出会い

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僕が思った事が伝わっているのか? "そうだ。清水和平、君が頭で思ったことは僕たちに直接伝わる" うそ。 でも、伝わってる。 君たちは何者なんだ。 "今はそんなことより、僕たちの邪魔をしないでもらえるかい" 邪魔? "君の右手はⅢ度の熱傷だった。総指伸筋、浅指屈筋、母指内転筋は損傷を受けている。皮膚移植をしてはいるが、感染症を起こしかけている状態だ。このままでは、癒着や瘢痕化により今までのように指を動かすのは困難になるだろう" なんでそんなこと分かるの? 僕の右手はもうダメなの? "そうならないように、僕たちが今働いているんだ。だから、邪魔をしないでくれ" 正体の知れない、姿の見えない彼らの言葉には、なぜか説得力があった。 彼らに任せておけば、僕の右手は元に戻る、そんな気がしたんだ。 明け方近くまで僕の右手の包帯の下でモゾモゾ動いていたが、やがてその動きも少なくなり、"また明日な"との言葉を最後に右手の包帯の下の動きも、頭の中に直接聞こえてきた声も全てなくなった。 夢だったんだろうか、とも思ったが、その日の診察で担当医師が右手の回復具合に驚いていたことからも、実際にあった事実だと思わざるを得なかった。 そして、次の日の消灯後、再び僕の頭の中に声が聞こえてきたんだ。
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