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「あの、さ。今からする話は荒唐無稽なものなんだけれど、信じてくれるって約束してもらえるかな」
「清水先生、この前みたいにフォースとか言わないで下さいね」
「今回はちゃんと話すよ。ちょっと長くなるから、飲み食いしながら聞いてね」
それから僕は、彼らとの出会いを話すことになったんだ。
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「えっ、右手でメスを持つんですか」
大学3年生の時の解剖学実習で、"メスは右手で持つ"と講師の先生に言われた。
僕は左利きで、てっきり利き手に持つものだと思っていたんだけれど、
「執刀医の立ち位置は決まっていて、それに合わせて術式も決まっている。それらは全て、右手にメスを持つ前提で決められている」
という説明で納得せざるを得なくなったんだ。専攻する診療科目にもよるけれど、特に僕が希望している外科はその傾向が強いとも言われたんだ。
鉛筆、箸、ハサミ、何でも左手でやっていた僕には右手でそれらを使うことは困難を極めた。一時期、お昼ご飯を右手で食べたりもしたよ。
でも、そんな努力の甲斐もあってか、右手でそこそこうまくメスを使えるようになってきたんだ。
そんな中、あの事故に遭ったんだ。
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