1人が本棚に入れています
本棚に追加
12/23
朝、猫の元へ向かう途中、大きな犬を連れた男性とすれ違った。
利口そうな犬ではあったが、リードを着けていない事が気にかかった。
猫が犬に追われていたかもと心配になり、走った。
しかし、猫は、相変わらず自動販売機の陰から姿を見せた。
怯えた様子もない。
「お腹、空いたろう?」
ホッとして、給餌をしていたら、
不意に背後から男の声が飛んできた。
「野良猫に、餌をやってはダメだ!」
ビクッとして、すぐさま振り返ると、先ほどすれ違った男性だった。
年齢は、60代だろうか。犬はやはりノーリードだ。
男性は、今度は静かに諭すように言った。
「野良猫に、餌をやってはいけないよねぇ?」
私は反射的に謝ってしまった。
「すみません。
あっでも、この子は野良猫じゃないんです。
飼い主に置いて行かれちゃった子で」
最初のコメントを投稿しよう!