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そこまで言うと、男性は遮るように再び同じ台詞を言った。
「野良猫に餌をやっちゃ、ダメなんだよ。」
「すみません。」
男性と犬が去って行った直後、
ノーリードで散歩するのも、いけないじゃないかと言えずにいた事を
猛烈に悔やんだ。
こんな瓦礫の隅っこで、小さな猫が飼い主を待っている。
戻っては来ない飼い主を、懸命に待つ事さえ許されないのか。
急がなければ。
仕事を終えた夕方、私は動物病院へ向かった。
「保護したい猫がいるんですが、
家の準備が終わるまで預かってもらう事は出来ますか?」
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