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「ただいま。ねえ、猫がいるんだけど。」
「猫は、沢山いますけど。」
我が家には、猫が5匹いる。
「違う違う。外に見たこと無い猫がいて、寄って来るんだよ。」
日が暮れた帰り道、足早に歩く春夫に、
見かけない猫が鳴きながらすり寄ってきたというのだ。
「すごい痩せてる気がする。どうしようか?」
どうしようもこうしようもない。
春夫は優しい男だが、優しいだけの男だ。
すでに、その猫を私に委ねる気だ。
「どうしたんだろうね?」
見になんて、絶対行くものか!
私は、面倒な事に巻き込まれたくなかった。
特に、今はこれ以上、猫を保護する余裕はない。
25日になれば、春夫はこの家から出て行くのだから。
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