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ペコンッ!
ボクは大きな背中のすぐ後ろに立ってお辞儀した。
そうしたら、あの人は腰を上げ、振り向いて……。
不機嫌そうにボクを見下ろした。
「お前、本気か? この人がどういう人だかわかってんのか? 俺らは族だけどよ、この人はもっと偉い人だぜ?」
ザワザワ。
仲間の人もいくらか寄ってきた。
みんなはやって来たボクに興味があるのか、見下ろしてケタケタ笑っている。
偉い人?
族?
――ってなんだろう。
よくわからないけど、でも知ってる。
この人のことは知ってるモンッ!!
だって、すべてはその時からボクの恋が始まったから……。
「君、名前は?」
「んと、三毛」
「三毛? なんか猫っぽい名前だな」
「あははは、違いねぇっ!」
むぅう。
なんだか馬鹿にされてる?
ボクはみんなをキッと睨むと、また龍サンと向き合った。
「族サンでも偉い人でも龍サンが好きです!!」
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