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頭の上で、嫌な感じの笑い声が聞こえる。
「ヤだっ!」
バタバタ足を動かしても、たくさんの人に抑えられていて、逃げることができない。
腰が浮かされ、布が破ける音がする。
やだっ! やだよっ!!
何をされるのかわからないけど、すごく怖い。
「龍に抱かれたことがあるんだろう?」
「大人しくしろや」
「でもよ、コイツなんでひとりでいるわけ?」
「あ、もしかして飽きて捨てられちゃった?」
「――っつ!」
……捨てられた。
その言葉がボクを苦しませる。
龍サン、もしかしてあまりにも煩いから、ボクのこと嫌いだったの?
そんな……。
胸がズキズキ痛む。
「可哀相に。だったら俺らが慰めてやるよ」
悲しい。
……悲しくて、息。できない。
怖いよっ!
龍サン、龍サン。
目をつむれば、出てくるのは涙だ。
助けて、怖いよ。
ボク、どうなっちゃうの?
助けて、龍サン!!
――だけど、龍サンは猫だった時みたいに助けてはくれない。
ボク、嫌われてるから……。
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