キミがスキ!

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 龍サンの腕から抜け出してこの場所から去ろうとしたら、腕を引っ張られて、また龍サンのところに引き戻された。  いつの間にか怖い音も怒鳴り合う声も消えている。  あるのは静かになったこの場所と――。  ボクが知っている龍サンや龍サンのお仲間サンたちのお顔ばかりだ。  でも今のボクにとってはそんなことはどうでもよくて……。  とにかく、これ以上龍サンに嫌われちゃうのだけはイヤだった。  それなのに、ボクは今龍サンに抱きしめられている。 「ヤだ! 離してっ!」  ボクは一生懸命龍サンの腕から逃れようと身体を動かす。  だけど龍サンの力はすごく強い。  ボクが暴れたくらいじゃびくともしないんだ。 「おいおい、待て。その格好で動くな。ったく、これだから俺に近づいちゃいけなかったんだ」 「龍さん、この子どうするんですか?」 「……持って帰る」 「えっ? そうなんですか?」 「ああ? なんか文句でもあんのか?」  龍サンが睨んでお仲間サンを見ると、お仲間サンは大きく首を振る。  すごく必死だ。
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