① 距離がゼロになった

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「……?? っう……ぇっけほっごほっ」  刺激が強く咳き込んだ。 「馬鹿っ無理してのむんじゃない」  馬鹿はお前だ。  こんな物を飲むなんて信じられない。体に毒だ。  実は毒物では無いのだろうかと訝しむ。  こんな物が飲料物として販売購入されているなど実に驚きだ。  男は炭酸飲料を好むが、自殺願望か被虐趣味でもあるのではないか。  大丈夫?  と背中を撫でながら、男は錦の腰を引き寄せ横から抱き込む。 「それはともかく。何かエロいんだけど君の顔。そうか、つまりベッドではこういう顔をするのか。ふぅん」  咳は収まったが呼吸がまだ整わない。  涙をぬぐう仕草で下瞼を親指で撫で、咳込み紅潮した頬に手を添える。
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