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手を繋ぐところから始まった。
髪を撫でられたり、腰や肩に手を置かれ、今では胸に抱き込まれている。
ごく自然に違和感なく、距離がゼロになった。
今では当たり前すぎて疑問にすら思えない。
気が付けば錦の頭は男の腕の下を潜り、胸に収まっている。
男は普段通りの涼しげな顔でアップルタイザーを呷りながら、視線はテレビの画面を向いている。
錦も当たり前のように男に凭れたまま、テレビを眺めた。
――きっと俺はこの男の事が大好きなのだ。
頭を胸にこすり付けると男が笑った。
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