パーティーと言う名の合コン

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「鷲宮主任には負けますよ」 「ん?まぁ俺はちょっと通勤に時間かかるから早めに家出てるだけだよ」 それはそうですけど、そうは言ってもと思いながら、ふと腕時計に視線を落とす。まだ始業30分前。フロアには私達以外いない。 「私コーヒー淹れてきますけど、いかがですか?」 「あぁ、ありがとう。ブラックでね」 「了解です」 「唯衣ちゃん、俺にも一杯ちょうだい」 振り向くと、声の主は同僚の小橋匠海。同期入社ということもあって、仲が良く、お互い下の名前で呼びあっている。 「あ、匠海くん。おはよう」 「おはよー。唯衣ちゃん。そのバレッタ可愛いね」 挨拶のついでに容姿を褒めるのが彼のスタンスらしい。同じ部署はもちろん、他の部署の女の子も同様に褒めている。 『おはよう、今日も綺麗だね』 『〇〇ちゃん、口紅の色変えた?前のもよかったけど、こっちのが可愛いよ』 こんな具合だ。フランス人かイタリア人か。もうとっくに慣れてしまった。 「はいはい、ありがとね」 と軽く受け流す。
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