商談のお供

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呼吸をするのも辛いくらいの重い空気。それから逃れるようにぐるりと周りを見渡すと、壁時計が目に入った。 ちょうどお昼前だ。 「眞鍋さん」 「…何?」 眉間にはシワが寄ったまま。 「お腹空きません?」 「時間が勿体ない」 「気分転換も必要ですよ」 「……」 「脳内にも栄養補給しないと」 「…分かった。一時間だけ休憩しよう」 「一時間もあれば十分ですよ。じゃあ、私何か買ってきますね。リクエストあります?」 「…プリン。会社がある通りの、角にあるコンビニのだ。カラメルソースがなければ焼きプリンでもいい」 「はい、分かりました。じゃあちょっと行ってきます」 「あぁ。気をつけて」 (プリンって…なんか可愛いかも。甘いの大丈夫なのね) エレベーターを降りて会社を出ると、カシミヤのストールをしっかり巻いて指定のコンビニに向かった。
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