商談のお供

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昼下がりの午後、書類をまとめていると内線ランプが光った。 「はい、総務部 池澤です」 『眞鍋です』 「お疲れ様です。どうしました?」 『ちょっと今降りて来れる?打ち合わせスペースまで』 手持ちの分はキリのいい所で終わらせたい。 「…10分後に行きます」 『了解』 「すみません。お待たせしました」 眞鍋さんはノートパソコンを携えてスタンバイしていた。 「昨日、白河建商を使ってる上位顧客に話を聞いてきたから。その報告」 たしか、月曜にアポを取りつけると言っていた気がする。 ちなみに今日は水曜日だ。商談の日が迫ってるので悠長なことは言っていられないが、さすが仕事が早い。 「何軒から聞けたんですか?」 「7軒」 「へぇ…急だったのに…。アポイント取るのもですけど、それを一日で回ったんですよね?」 すごい、と感嘆の声をもらすも、眞鍋さんはさほど意に介さない様子でUSBをノートパソコンに差し込んでいる。
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