商談のお供

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「…レコーダーに入れた音声はUSBに移動させた。まぁちょっと編集はしたけど」 カチッ、とカーソルを再生ボタンに合わせてエンターキーを押す。 「…これならいけますね」 「あぁ」 深く頷く眞鍋さん。 使い所はこのタイミングで、と確認し合った。 商談の前夜。会社から帰った私は、慌ただしく荷づくりをしていた。 (あー、もう、私のバカ!なんでもっと早くしなかったかなぁ) 頭の中で反省と後悔をしながら、手だけはしっかりと動かしていく。 「…これでよし、っと。忘れ物ないよね」 再度確認をして、明日に備え早めに眠りについた。 カーテンから薄く差し込む光で目が覚めた。 携帯電話を見ると、アラーム設定時間の15分前。 昔から、何か大事な日には決まって早く目が覚める。遅刻しないからいいとしても、知らない間に肩に力が入ってるのかも、なんて自己解釈をする。 準備を整えて、誰にともなく「行ってきます」と言って家を出た。
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