商談のお供

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目的地のニューグリーンホテルは熱海にある。山崎部長は私に打診した時、どうやら伊豆半島を指して『伊豆』と言ったようだ。 眞鍋さんとは号車は別のため、一人気ままに流れ行く景色を車窓から眺めていた。 熱海駅で眞鍋さんと合流し、商談会場兼宿泊先となっているホテルへと向かう。 「駅歩ないんですね」 「…あぁ、すぐそこだ」 オーシャンビューの、立派な景観のホテル。 場所を指定したのは先方だと聞いている。荷物は一旦クロークに預け、腕時計を見るとまだまだ時間に余裕があった。 ロビーのソファに腰を下ろし、ノートパソコンを立ち上げてデータと話す内容とを再確認する。 そうこうしている間に、いい時間になった。 「そろそろ行きましょうか。お待たせするとよくないし」 「そうだな」 商談会場は四階の小ホール。 重厚感のある扉を開くと、中はパーテーションで仕切られていて、半分側だけ明かりが点いていた。
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