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しばらくすると複数の話し声が近づいてくる。
「…お出まし、か」
ポツリと呟いた眞鍋さんの声は私の耳にも届いた。
やがて先方が姿を現した。もちろん噂の常務もいる。
「いやいや、お待たせをしてしまって申し訳ない」
「うーむ、これまた美人ですな。ハッハッハッ」
「部長を唸らせるとはなかなかですね」
「まあまあ、お二方。…今日は品定めではなく商談に来たんですよ。お手並み拝見、と行きましょうか」
「そうですな。時間も過ぎているようだし」
めいめいに好き勝手言ってから、こちらに視線が向けられる。
良く言えば個性的、悪く言えばクセのある面々。
5対2か…。
「いつでも構いませんよ」
と眞鍋さん。
「我々が着席しないと始められんな、ハッハッハッ」
「では準備はよろしいかな?」
眞鍋さんと視線を交わして、小さく頷いた。
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