商談のお供

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「妥協案を問われたら?」 「それは…」 答えあぐねる私に、すかさず眞鍋さんが返答した。 「ケースバイケース…と言いたいところですが、折れてばかりでは会社にはプラス幅になりませんからね。そこはビジネスの醍醐味でしょう」 「ふむ、お若いようですが分かってらっしゃいますね」 白河建商サイドが一様に頷く。 そこで眞鍋さんがチラ、と私に視線を送った。 「…こちらは、御社のエンドユーザー様に市場調査したものです。今回の判断材料にしていただければと思います。この場で私どもが内容を一緒に見るのは憚られますので、お帰りになりましたらご覧になって下さい」 「…分かりました。確かに受け取りました」 「そろそろ時間ですかな」 と腰をあげる白河建商の面々。 「いいお返事をお待ちしてます」 深々と頭を下げて見送った。
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