商談のお供

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「…あの、一個聞いてもいいですか?」 「内容による」 「ずっと気になってたんですけど、どうしても分からなくて。何で私が今回要員になったのか」 あぁ、と眞鍋さんは二本目の缶ビールを開けた。 「先方の部長の顔は覚えてる?」 「…ちょっと太めでバーコード頭でしたね」 「バーコード…フッ…まぁいい。あちらからの要望は、男女一人ずつ計二名で、だった。そして美人を用意しろ、とも」 (うげ、セクハラオヤジ…) 「営業に綺麗な女の子いっぱいいるじゃないですか」 「見てくれはいいが能がない。彼女らが定時きっかりに帰っていくのは知ってるだろう?色目を使って面倒な書類を押しつけて。ま、俺は断ってるけど」 (…いつかの化粧室の会話からすると、そんな気がする) 「でも、男性二人でもよかったんじゃ」 「あの部長もなかなか面倒で、一度決めたことは覆さない」 「だから、何で私なんですか?」
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