商談のお供

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「…池澤さんは、入社試験トップの成績だったそうだな」 「あ、あんなのまぐれですって!たまたま勉強した所が出たってだけで…」 「五年前の入社試験は特別難しかったと聞いている。前の年に難易度を下げすぎて有能な社員が集まらなかったから、らしい」 (そうなんだ…知らなかった) 「察しはついた?」 じっと視線を向けられる。 「能力を買われた…ってことですか?」 視線を送り返すと、頷いてみせる眞鍋さん。 「まぁ…後は仕事に取り組む姿勢、かな」 「与えられたのをこなしてるだけですよ?」 「真面目に向き合うのは簡単なようでいて、実は難しい。誰もが出来そうだが万人に当てはまるわけではない、俺はそう思うけどな」 これは―…誉められてる、って受け取っていいのかな? 不意に顔に集まり始めた熱を払うように、別の話題を振った。 「でも…もう一つの条件に当てはまらない気がしますけど」
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