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(仕事が忙しいって言ってたじゃない…目処がついたら連絡するって…だから我慢できたのに)
悪びれる様子もなく、淡々と話す秀一にカッとなった。
「…っふざけないでよ!!」
パァン!!!!
「ってぇ…」
顔をしかめる秀一の頬には、私がつけた痕がくっきりと浮かんでいた。
「馬鹿力…」
ポツリと呟かれたその言葉を、私は聞き逃さなかった。
「…もう一発やられたいの?」
「まさか」
秀一は両手を上げて、首を左右に振った。
「いつからなの」
「言うわけないじゃん。もう関係ないし」
開き直ったような態度に怒りが沸々と込み上げる。
「あんたがこんなやつだと思わなかった。…知ってたら付き合わなかった!」
「うっせぇな、もう帰れよ」
「呼んだのはあんたでしょ!言われなくても帰ります!!」
貰ったピンキーリングをグッと引き抜いて、テーブルの上に叩きつけるように置いた。
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