些細なはずの不調

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些細なはずの不調

ピピピピピピ 携帯電話のアラーム音で目が覚めた。 いつの間にか寝てしまっていたらしい。 なんだか寝た気がしないけど。 それに少し頭が重い。 手のひらでこめかみの辺りを軽く円を描くようにさすりながら、ベッドから出た。 出勤してデスクに鞄を置くと、ホワイトボードに書かれた“空調チェック”の赤い文字が目に入った。 「おはようございまーす。唯衣ちゃん、早いね」 「あ、おはよう。匠海くん。ねぇ、今日の午後だったっけ。空調止めるの」 「うん、今日しか業者のアポ取れなかったらしいよ。師走は忙しいからね」 「ふーん…」 ワンフロアずつの空調のチェック。 きっと冷えるから、と私はロッカーに膝掛けを取りに向かった。 (やば…頭痛い…) 起きた時の頭の重さは尾を引いていて、午前中は気のせいだろうと自分に言い聞かせて、だましだましやり過ごしていた。 午後の作業を再開したものの、気のせいなどではなく、時間が経つ毎にズキズキする感じが強くなっていた。
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