些細なはずの不調

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空調チェックのせいでエアコンは切られてしまっていて、フロア内は冷えているから尚のことツラい。 チラッと左手の腕時計を見る。あと三時間か…。 こんな時の体感時間は果てしなく長い。 (残業になりませんように) 背筋を伸ばして、パソコンに向き合った。 (あー…やっと終わった…) 結局一時間の残業。 パソコンの電源を落とすと同時に、デスクに突っ伏した。 「池澤さん?」 ゆっくり顔を上げながら、声がした左側を向くと、珍しく残業していたらしい鷲宮主任が、心配そうな顔で私の顔を覗きこんでいる。 「…やっぱり。顔色悪いと思ってたんだ。大分我慢してたでしょ」 「大丈夫です、ちょっと頭痛がするだけですから。もう帰りますし」 と無理矢理笑顔を返した。 笑っただけでもピクッと嫌な痛みが走る。 私は思わず顔をしかめた。 「一人だと心配だな…。小橋!」 鷲宮主任は、棚にファイルを片付けようとしていた匠海くんを呼び止めた。
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