23人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
34
次の日、僕は大学を休んで佐々木さんとの待ち合わせの場所に向かった。
「新島さん、今日はありがとうございます。では、こちらへ。」
そう言って佐々木さんは車に僕を乗せ、アキラさんのいるお見合い会場へと向かった。
アキラさんは当然僕がくることなんて知らない。ましてや、お見合いを止めに入るなんて……。
「新島さんがもしピンチな状況になれば、いつでも助けます。そこはご安心を。」
「…ピンチな状況って、、」
「勝手に貴方を説得して連れてきているのは私です。貴方に責任はない、ということです。」
「は、はい…。」
冷静に考えたら、何をしているんだろうと思う。
僕はアキラさんと同じ土俵の人間ではないし、口出ししていい立場ではない。
「…佐々木さんは、どうするんですか?」
「何がですか。」
「僕を連れてきたのが佐々木さんだって知られたら、佐々木も共犯じゃないですか。」
「…ふふっ、いいんですよ。」
僕の心臓はバクバクしているが、佐々木さんはどこか晴々とした顔をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!