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「アキラさん!!!!」 僕の声は、きっと裏返って甲高くって、ぎこちなかっただろう。 襖を勢いよく開けると、中にいた全員が僕の方を見た。 アキラさん、アキラさんのお父さん、結婚相手の女性、そのご両親らしき人。 なんなんだこの子どもは、と目線が言っていた。 「……海斗?」 アキラさんだけは、違った。 「か、海斗?なんでお前、ここに…」 「アキラさん、帰ろう?」 驚いた顔で目を丸くするアキラさんは、僕の知っているアキラさんだった。 銀髪でピアスを何個もしていて、ヤンキーみたいな人。 僕の、好きな人。 「アキラ、誰だその子は」 アキラさんのお父さんが声を発した。邪魔された怒りと、驚きが隠せないような言い方だった。 アキラさんは、何も答えない。 もしここで僕の正体を明かしてしまったら、僕に迷惑がかかると思っているのだろう。アキラさんは唇をぎゅっと噛み締めて、言い訳を考えているようだった。 「新島海斗。この数週間、アキラさんと一緒に暮らしていた者です」 今度こそ、僕ははっきりと言った。 後悔はない。だって、アキラさんが少し、安心したような顔をしていたから。
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